【この記事でわかること】
・全国で130店舗を運営するショッピングセンターチェーンのベイシア
・効率化とおもてなしを両立させるため、業務フローのマニュアル化と組織での改善に取り組む
・多店舗の巡回・管理業務の効率化のためにクラウド型カメラを導入。管理職の業務負荷を削減し、ワークライフバランスも向上

【SORACOM活用のポイント】
・専門知識なしで手軽に設置でき、安価に導入できるクラウド型カメラで広大な店舗を遠隔監視
・さらに、AIパートナー企業との協業で画像解析による在庫補充タイミングの検知を検証中、小売業としての拡張性を追求
・画像データで属人的判断に任されていた発注業務を客観化

導入の背景

より良いものをより安くをかなえる「商の工業化」

関東を中心に1都14県に130店舗を運営するショッピングセンターチェーンのベイシアは、より良いものをより安く提供するため、「商の工業化」と呼ぶ独自の店舗運営効率化の仕組みを取り入れています。

ベイシアの商の工業化は、(1)マニュアルを用いた多店舗共通「業務フローの整備」、(2)必要に応じた適切な「技術・道具の導入」、(3)スーパーバイザーを中心とした「組織」の3要素で構成されます。

「商の工業化は、人がやらなくていいことを技術を活用して省力化することで、人は人にしかできないことに集中していくための仕組みです。デジタルツールなどの技術・道具は導入すれば必ず効果を発揮するというものではありません。

ビジネス、お客さま、従業員それぞれの視点から最適な業務フローを設計することで、ベイシアらしい『おもてなし x 効率化』を両立した生産性向上が可能になります」(ベイシア役員待遇ベイシア オペレーションパートナーズ事業部長 鈴木伸男氏)

スーパーバイザーの複数店舗管理に課題

仕組みを推進するには、新しい業務フローや技術・道具を定着させ、改善し続けるための組織づくりも必要です。

ベイシアでは、これらの仕組みを定着させる役割をスーパーバイザーが担っています。スーパーバイザーは組織運営の中核を担い、通常1人で4店舗ほどを管理し、必ず現地に足を運んで状況を把握しています。店舗間の移動は最大で1時間かかる場合もありましたが、状況確認のためには毎日訪れなければならず、タイムロスは深刻な問題でした。

そこで、遠隔でも店舗業務の確認ができるように、安価で工事不要ですぐに設置できるソラコムクラウドカメラサービス「ソラカメ」が採用されました。

実現したサービス

クラウド型カメラで店舗の状況を遠隔からリアルタイムに把握

ソラカメは、電源とWi-Fiがあれば月額990円から利用できるクラウド型カメラサービスです。カメラ本体は本体内蔵のマグネットや付属両面テープで簡単に設置でき、工事も不要で1台から導入できます。ベイシアでは最初は1台からのテスト運用でしたが、すぐに効果を実感され本格導入に至りました。

「従来の防犯カメラに比べて、設置にかかるコストや作業などの負担が少なく、何よりデジタルの専門知識がなくてもシンプルに運用でき、汎用性も高いことが決め手でした。デジタル人材は専門分野で力を発揮してもらいたいので、誰でも簡単に運用できるというのは重要なポイントです」(鈴木氏)

遠隔拠点にカメラを設置すればパソコンやスマホでリアルタイム映像が確認できるため、導入後はオンラインでの店舗巡回ができるようになりました。

「1時間かけて移動して店舗の状況を確認していた頃と、手元のスマートフォンでソラカメの画像を確認できるようになった現状を比較すると、圧倒的に業務効率が上がりましたね。離れた店舗の売り場もその場で確認できるため、店舗からの問い合わせにも迅速に対応できるようになりました。

また、訪問が必要な店舗を選定して巡回することができるようにもなり、店舗巡回に割かれていた時間を大幅に削減し、その時間をこれまで手を付けられなかった業務領域に振り分けられるようにもなりました。

例えば、管理職であるスーパーバイザーにとって、部下への指導も重要な業務です。業務効率が上がって余力が確保できるようになったおかげで、より丁寧な指導をするための時間が捻出できた、帰宅時間を早められた、という声もあります。

運転時間の短縮で腰痛がなくなった、など身体的負担も軽減できています」(業務システム改善部 作業改善Gマネージャー 池田健二氏)

ベイシアでは、売り場の様子や混雑具合の確認に加えて、商品の配架状況の把握やバックヤードの在庫確認にもソラカメを利用しています。これまでは経験則による属人的な判断に委ねられていた不足在庫の発注・補充業務が客観的事実に基づいて行えるようになりました。

「売り場が見えることで、実際の画像に基づいて量を決められるようになったため、根拠を持って次の発注や補充指示ができるようになりました。

ソラカメは、映像をクラウドで常時録画できるライセンス付きなので、退勤後の売り場状況や休日の商品動向も後から振り返って確認できるのもメリットです。暗い場所でも明瞭に映るナイトビジョンがあるので、冷蔵庫の中の在庫状況も把握できます」(池田氏)

今後の展開

画像解析を取り入れ事業拡張を目指す

ベイシアでは、AIによる画像解析アルゴリズム開発に強みを持つソラコムのパートナーである株式会社AIDとともに、ソラカメで撮影した画像とAIを用いた画像分析の取り組みも始めています。

「先ほど、経験則による判断に根拠を持たせられるようになったとお伝えしましたが、やはり最終的な判断は人間によるものなので、属人的な判断を一切排除することはできません。そこで、人ではなく画像からAIが発注や補充を自動的に判断できるところまで目指したいと考えています。

小売業として、AIや画像解析の技術をどう利用できるか、アイディアを出しながらトライアルしているのが現在のフェーズですね。お客さまが商品を選ぶまでの時間や、どのように判断して選別しているのかというところまでを洗い出せる仕組みが作れれば、スーパーバイザーが店舗を巡回する際の強力な武器にもなると思います」(池田氏)

株式会社ベイシア

株式会社ベイシア


ベイシア役員待遇ベイシア オペレーションパートナーズ事業部長

鈴木伸男氏

業務システム改善部 作業改善Gマネージャー

池田健二氏

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