株式会社ソラコムがお送りする「IoT速報 - ビジネスの最前線」。

今回は、畜産業向けにIoTを活用した飼料在庫管理ソリューションを提供する BinSentry社が、IoTプラットフォームSORACOMを導入し、遠隔地に設置された飼料タンクやサイロの在庫状況を可視化するとともに、通信コストの最適化とグローバル規模での運用効率化を実現した事例をご紹介します。

【この記事でわかること】

  • 畜産業において、IoTを活用した飼料在庫管理がどのような課題を解決できるのか
  • 農村部や遠隔地など、通信環境が厳しい場所でもIoTを安定運用するための考え方
  • デバイスの製造・在庫・設置を含めた、IoT導入後の運用を見据えた設計・運営のポイント

【SORACOM活用のポイント】

  • 213以上の国と地域、509キャリアに対応したグローバルIoT通信により、国や地域をまたぐIoTデバイス展開を一元的に管理
  • マルチキャリア対応により、1つの国の中でも複数キャリアのネットワークを利用可能。農村部や遠隔地でも高い通信信頼性を確保
  • 通信の利用開始・スタンバイ・休止を管理コンソールからオンデマンドで制御し、製造・在庫・輸送・設置といったデバイスライフサイクル全体で通信コストを最適化

導入の背景

遠隔地でも正確な飼料在庫管理を実現するために

BinSentryは、畜産業向けのIoT飼料管理ソリューションを、北米を拠点にグローバルに提供するスマートアグリ企業です。独自に開発したセンサーを用いて、飼料工場や畜産事業者が、農場に設置された飼料や穀物を貯蔵するタンクや大型サイロ内の在庫量を、遠隔から監視できる仕組みを提供しています。

同社のソリューションでは、1つのタンクやサイロ内の体積を算出するだけでも、約50万点ものセンサー測定値を用いています。そのデータをAIで処理し、正確な数値として飼料工場に連携します。そのためのデバイスには、防爆仕様のPro Sense HDをはじめ、近赤外線のToF(Time-of-Flight)センサーとAIによる画像処理技術が搭載されています。これにより、粉塵が多く過酷な環境下でも正確な3D体積測定が可能となり、リアルタイムで信頼性の高い在庫データを取得できます。その結果、家畜への安定した給餌、作業者の安全確保、そして輸送の効率化を実現しています。

一方で、これらのデバイスは農村部や遠隔地の農場に設置されることが多く、単一のセルラー通信事業者との契約では、カバー範囲の課題があります。そのような地域では、IoTデバイスの安定稼働が大きな課題となっていました。農村部では、複数の通信キャリアのネットワークにアクセスできることが重要で、ダウンタイムは許されません。

さらに同社は、製造から設置、保守、再配置まで、デバイスを自社で一元管理しています。製造ラインでテストされたデバイスが、設置まで数週間から数か月間、在庫や輸送中の状態で待機することもあります。しかし、従来のMVNO事業者が提供するSIMでは、このような在庫期間中であっても通信費が発生してしまうという課題がありました。

このような状況から、1つの国の中でも複数の通信キャリアのネットワークが利用できる「マルチキャリア」に対応し、かつ遠隔から通信を柔軟にオン・オフでき、在庫期間の料金体系を持つIoT通信が求められていました。

導入の結果

柔軟で信頼性の高いSORACOMのIoT通信を採用

BinSentryは、こうした課題を解決するグローバルパートナーとして、IoTプラットフォームSORACOMを採用しました。SORACOM IoT SIMは、世界213の国と地域で利用でき、509のキャリアに対応しています。通信接続がうまくいかない場合は通信キャリアを自動的に切り替える設定も可能で、IoT製品に組み込まれるケースに最適化された柔軟な料金プランを提供しています。

SORACOMでは、デバイスの通信をオンデマンドで管理画面上で利用開始・スタンバイ・休止することが可能です。この仕組みにより、製造時のテスト、在庫・輸送中の待機期間、現地設置後の再有効化といった、運用モデルに合わせた通信管理が実現しました。

BinSentry 共同創業者 / CTO Nathan Hoel 氏は、「実際のデータ通信にかかる料金のほぼ2倍の通信費を払っていたこともあり、想定以上にコストがかかることに驚きました。SORACOMに切り替えてからは、使っていないデバイスの通信を簡単に止めることができ、自社システムに組み込むための開発の手間も必要ありませんでした」と語ります。

また、SORACOMのSIM管理ポータル、リアルタイム監視機能、クラウド連携により、数万台規模のデバイスを効率的に管理できるようになりました。独自の通信管理インフラを構築したり、煩雑な請求処理を行ったりする必要もありません。

「SORACOMはIoTのすべてを理解しており、私たちの実装を手助けしてくれるプラットフォームとして、ツール、課金、その他すべてがそろっていました」(Nathan Hoel 氏)

さらにSORACOMは、耐久性の高い産業用SIMも提供しており、夏場の高温や冬季の氷点下といった厳しい環境条件に耐えられる、産業グレードの高耐久SIMの選定・試験にも協力しました。

今後の展開

グローバル展開と新たなセンシング領域へ

SORACOMの導入により、BinSentryはデバイスの稼働率向上、不要な通信コストの削減、そしてグローバル展開における回線管理の効率化を実現しました。その結果、技術チームは通信トラブル対応や管理業務に追われることなく、新たなビジネス価値創出に集中できるようになっています。

「SORACOMなら、ただ動く。どこで使われているか、どのネットワークかを気にする必要がありません。その安心感が、私たちのスケールを支えています。SORACOMは単なる通信事業者ではなく、私たちのビジネスパートナーです。問題があれば一緒に解決してくれる。それが、私たちが成長するために必要な存在です」(Nathan Hoel 氏)

今後は、北米以外の地域への展開を進めるとともに、新たなセンシングアプリケーションの開発にも取り組んでいく予定です。その中でSORACOMは、引き続き信頼できる通信パートナーとして、同社の成長を支えていきます。

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