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IoT 導入の背景
電気計測器の使われる現場のアナログ作業を効率化する
日置電機は2015年に創立80周年を迎えた長野に本社をおく電気計測器メーカーです。電気工事士が使うテスターなどの電気計測器を製造しています。これらの電気計測器は、ビル内の電気設備の点検や、工場設備の消費電力計測による省エネ対策、さらには機器・装置の振動などを計測することで予兆保全や故障検知などにも使われます。
私達の計測器は生産ラインやR&Dでも利用されますが、最も多く使われるのが保守・メンテナンスの現場です。しかし、現場はまだアナログで、測定値を現場まで取りに行き、帰社後データ化するというこことも多々あります。そこで、私達は、ICT化により現場の効率を上げるサービス「GENNECT シリーズ」として、保守業務プロセスの電子化などにいち早く取り組んできました。
IoT 導入の課題
ニーズは高いが通信が課題で実現が難しい”遠隔監視”
電気計測器のデータを、外部から閲覧したいというニーズは、以前からお客様からいただいていました。遠隔地に設置した計測器のデータ取得のために人が数ヶ月に1度現地に赴く必要があるだけではなく、現地に赴いてはじめて、設定のエラーや、電源トラブルにより、欲しかったデータが取得できていないというミスが発見されるケースもありました。
計測器にLANポートがあれば有線接続は可能です。しかし、VPNルータなどを利用して現場に設置した計測器をお客様企業の構内ネットワークに接続することは、セキュリティ上難しい事がほとんどで、遠隔監視はお客様側の大きな負担を要する物となっていました。
そこで、2017年5月に提供開始したのが、電力計とデータロガー(多チャンネル電圧計)で簡単に遠隔監視をはじめることができるサービス「GENNECT Remote」です。
SORACOMが選ばれた理由
SORACOM Beamで、データ通信量を1/20に削減
「GENNECT Remote」は、電力計とデータロガーから、SIMカードを入れたゲートウェイ経由でクラウドにデータを送信します。お客様が設置にかかる時間はたったの5分程度で、すぐ開始することができます。
SORACOM Beamは、データ通信量の削減と、セキュリティの実装の両方両立を可能にしてくれました。SORACOMでは、SIMカードからSORACOMまではインターネット回線を通らないセキュアなモバイル回線、SORACOMから計測データを蓄積するサーバーまではインターネット回線を利用します。そこで、SORACOM Beamを用いることで、計測器ゲートウェイからSORACOMまではMQTTで送り、SORACOMのコアネットワーク通過時に暗号化プロトコルであるMQTTSに変換してサーバーにデータ送信することにしました。これによりデータ通信量は、HTTPSのWebAPIにてデータ送信する方法と比較して、1/20まで削減することができました。
他にもさらに、ゲートウェイの識別にSORACOM Air のメタデータサービスを活用しています。ゲートウェイを新設時は、ゲートウェイの識別子としてSIMカードの識別子であるIMSIを用います。ゲートウェイ起動時にAir SIMのメタデータに設定されたゲートウェイIDやユーザID、利用サービス種別などを取得します。これにより、個別に通信機器には認証ゲートウェイに固有の情報をもたせる必要がなくなり、故障時の交換などもスムーズに行なえます。
システム構成図
今後の展開について
計測器を通じて、現場のあらゆるコトをつなぐサービスへ
私達は電気計測器メーカーとして、計測器自体の操作性や、性能向上に取り組んできました。しかしその一方で、お客様の現場での作業において、計測の作業はほんの一部です。「GENNECT」は、そんな発想から、人と現場(GENBA)をCONNECTするという意味を込めて名付けられ、お客様の現場での業務プロセス全体の効率と品質向上に貢献してきています。
引き続き、「計測器(モノ)をつなぐだけではなく、事象(コト)をつなぐ」、現場のお客様に喜ばれるサービスをお届けしていきます。
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