IoT 導入の背景

労働人口が減少する建設現場、IoTによる生産性向上は不可欠

建設現場、特に土工事においては、長らく生産性に変化がなかった分野です。しかし、現在従事している340万人の技能労働者のうち今後10年間で100万人が高齢のため引退します。将来的な労働力不足予測から生産性向上が必要とされており、国土交通省では、この現状を受け「ICT の全面的な活用」等の施策を建設現場に導入することによって、建設生産システム全体の生産性向上を図り、もっと魅力ある建設業界を目指す取組であるi-Constructionを進めています。

そのような背景を受け、建設現場の見える化を推進するのがサイテックジャパンです。

IoT 導入の課題

建設現場の作業を変える ICT建設機械活用

サイテックジャパンでは測量のノウハウを活かし、建設現場で稼働する建設機械につけるセンサーとディスプレイを提供しています。あわせて、ショベルなどの刃先についた角度センサーとGPSのデータをリアルタイムでクラウドに送信し、現場の施工進捗状況を確認できる施工支援クラウドサービス「Trimble Connected Community (TCC)/ VISIONLINK」を提供しています。

これらを導入すると、建設機械の管理会社は、資産管理の一貫や稼働率確認など、建設機械の稼働時間や、配置情報の把握が容易になります。現場の作業者は、今まで施工に不可欠だった丁張りや杭打ちなどの工程をマシンコントロールによって簡素化し、さらにIoTによって施工した結果をクラウドに送り、掘削場所や掘削の深さといった施工結果を正確に把握、作業を進めることができます。施工管理責任者は、安全装置のオン/オフのアラートを受け取ったり、パソコンからオンラインで3Dの設計データを登録し、航空写真や地図から、見たい現場を探し、施工結果の断面図データや切削進捗をモニタリングしたり、現場での予期せぬシステムトラブルにも対応することができる「遠隔アシスタント機能」を利用することができます。

建設現場は、都市部に限らず地方や、山間部、川や海など多岐にわたります。センサーデータの収集のため、建設現場に設置されたゲートウェイにデータ通信SIMを挿して、センサーから上がってくるデータを集約、データ送信にモバイル通信を利用しています。

SORACOM が選ばれた理由

データ通信SIMを自ら通信開始 在庫コストはほぼ0円に

サイテックジャパンでは、このデータ通信SIMとしてSORACOM Airを採用。採用にあたり、一つ目の理由は、「SIMの調達」。従来ではデータ通信SIMの調達から開通までは10営業日程必要で、お客様からの急なご依頼に備え、常に10回線ほどのSIMカードの在庫を備えていました。しかし、SORACOM Airなら、1.2日でSIMは到着し、Webコンソールでの操作すればすぐに通信開始が可能です。結果、在庫コストはほぼ0円になりました。

そして2つ目の理由は、「Webコンソールでの通信速度の変更」の機能。「TCC/VISIONLINK」では、位置情報やマシンログデータを取るだけの利用方法の場合は、低速のSIM、3D設計データを扱う場合は高速のSIMと、用途に合わせてSIMを使い分けています。しかし、建設作業開始後に用途が変更になった場合、現場までSIMを差し換えに赴く必要があります。SORACOMのWebコンソールなら、インターネット上の簡単なボタン操作だけで通信速度が変更できるため、1枚のSIMで対応可能で、運用にかかる人手や手間が大幅に削減されました。加えて、Webコンソールから、通信状況をチェックできるため、トラブルシュートにも役立てています。

導入の効果

稼働状況改善や、リモート建設現場管理が可能に

大手建設機械レンタル会社の株式会社アクティオ様では、保有する10万件あるレンタル資産をGPSやIoTを駆使して効率的に管理する取り組みをはじめています。現在、一部の発電機を試験的にVISIONLINKへ接続しています。稼働状況モニタリングすることで稼働時間に応じたメンテナンスを実施しています。これにより、機械の延命化を図り、メンテナンスが行き届いた機材をお客様へ提供することで顧客満足度の向上を目指しています。

またICT建機のレンタルにおいては、TCC・VISIONLINKを使用してインターネットによる遠隔地からのサポートや設計データの更新といったサービスの充実を図っています。オンライン施工管理によって、お客様の建設現場がどのように効率化するかコンサルティングし、アクティオが提唱するレンサルティング(レンタル+コンサルティング)を実践しています。

北海道斜里町に本社を構える株式会社中田建機様では、建設現場で稼働するICT建設機械と「TCC/VISIONLINK」を導入しています。一人の管理者が、事務所から100キロ以上離れた2つ以上の建設現場をインターネットを通じて管理することができるようになりました。現場の設計情報が変更になった場合も「TCC/VISIONLINK」があれば、事務所にいながらWebブラウザの操作だけで設計データの差し替えが可能です。本社にいながら複数の距離の離れた建設現場の様子を把握、指示することができることは非常に効率がよく、工期の短縮や、品質向上などにもつながっているとのこと。

今後の展開について

建設現場をもっとIoT活用で便利に、現場全体を<見える化>

国土交通省の発表によると、流通している建設機械の3割に何らかのICT装置が取り付けられる見込みです。今後もどんどん、施工のナビゲーションシステムや自動操縦などICT活用は進んでいきます。サイテックジャパンでは、3年後に10万台の端末を管理できるビジネスの構築を目指します。ICT 建設機械から取得される膨大なデータを分析し、現場全体を<見える化>することで、設計、施工、維持管理、資産運用といった仕事の革新に貢献していきます。

DOWNLOAD

導入事例ダウンロード

さまざまな業界のSORACOMを利用した最新IoT事例集をダウンロード頂けます。
下記フォームを入力いただき、送信ボタンを押してください。

全て必須項目となります

個人情報の取り扱いについては、
お客様の個人情報に関するプライバシーポリシーをご確認ください。