IoT 導入の背景

語学でお困りの方にもっと便利に使える通訳機をお届けしたい

ソースネクストは、コンシューマー向けに数百のソフトウェアパッケージのラインナップを、1700万人が登録するウェブショップや、販売パートナー様を通じてお客様に提供しています。2017年4月に語学学習ソフト「ロゼッタストーン」の日本法人を子会社化したことをきっかけに、AI を活用した翻訳や、小型の自動翻訳デバイスへの取り組みが始まりました。

同年11月には、POCKETALK®(ポケトーク)、2018年9月には大幅に進化した新モデル POCKETALK W を発売しました。POCKETALK は、互いに相手の言葉を話せなくても、まるで通訳がいるように対話できる通訳機です。74言語の通訳に対応。対話のために設計された専用機ならではの、使いやすさが特長です。特別な設定不要で、箱を開けたらすぐに使えます。2019年4月には「音声翻訳機」カテゴリでシェア96.0%となり(2019年4月 BCN シェア)、海外旅行者はもちろん、インバウンドの観光客をお迎えする駅や店舗、美容院に至るまで、さまざまな業種の企業に導入されています。
* 数値は、2019年5月現在。

IoT 導入の課題

翻訳機は、会話を止めずに、取り出してすぐに使えることが重要

POCKETALKの発売前は、翻訳機は「誰もが気軽に使える」製品ではありませんでした。初対面の外国語の話者同士が話をする状況では、翻訳機は必要となった時にすぐに取り出して使えなければ、会話が中断してしまいます。

POCKETALKの特徴は、クラウド上の AI 翻訳エンジンを用いた圧倒的な翻訳精度です。そのため、取得した音声データを翻訳機がクラウドに送信し、クラウド上で音声を翻訳・合成したデータを翻訳機が受信する必要があります。

クラウド上のシステムでの翻訳を、翻訳機を通じてすぐに使えるようにするために、グローバルでセルラー通信が利用可能なSIMを探していました。

SORACOMが選ばれた理由

ウェブで購入し、機能をひととおりすぐに使って試すことができる

複数社で検討しておりましたが、SORACOM は実際に、「すぐに使って試す」事ができました。

SORACOM Air はウェブサイトで1枚から購入可能で、かかる費用は2000円以下で試すことができます。早速購入し開発者向けのドキュメントを見ながら自分のスマホに SORACOM Air for セルラーを挿して使いたい機能を試しました。

スケールする段階において便利な機能が多数盛り込まれている点も評価しています。例えば、POCKETALK は2年間のセルラー通信込で提供するプランがあります。プランの有効期限を検知したり、契約状況に応じて端末利用を制限したりする運用は、SORACOM API を用いて簡単に自動化できました。SORACOM プラットフォームのイベントハンドラー機能を用いて、お客様が利用するデータ通信量をモニタリングしたり、SORACOM ユーザーコンソールのSAM機能を用いて各担当毎にユーザーコンソールの閲覧・操作権限を制限し、SORACOM ユーザーコンソールをそのまま業務システムとしても利用しています。

その結果、小型翻訳機のアイディアが出てから、わずか半年後の2017年10月にグローバルに使える「POCKETALK」を発表し、予約を開始できました。

導入の効果

eSIM 搭載の自社開発ハードウェアにより、さらに使いやすく進化

初代 POCKETALK は、発売を発表してわずか11日間で、予約注文台数が、発売日に出荷予定の初回生産台数を超えるなどの大きな反響に、お客様の翻訳機に対するニーズに手応えを感じました。お客様から寄せられた何千というフィードバックを経て、新モデルでは自社でハードウェアから開発することになりました。

ソースネクストは、基本的にソフトウェアの会社なので、いいものができたらすぐに作ってお客様に提供したいと考えています。そこで、初代機の買取サービスなども準備し、すぐに新モデルの開発に着手しました。

POCKETALK W は、ハードウェアから自社製造したので、この機種では SORACOM Air for セルラー plan01s(グローバル対応)のチップ型 SIM(eSIM)を予め組み込んで提供することにしました。この時、通訳機とクラウド上の翻訳エンジンとの連携のセキュリティを高めるため、認証の仕組みを追加検討しました。ソラコムに相談し、SORACOM AirのCHAP認証という仕組みがコスト的にも見合うことがわかり、SORACOM プラットフォームに CHAP 認証を機能追加してもらいました。

通信搭載ハードウェアの開発は初めてでしたが、ソラコムのソリューションアーキテクトの方のサポートを得ながら、スピーディに開発することができました。

今後の展開について

使いやすくすることで、もっと多くのお客様に通訳機をお届けしたい

ハードウェアから自分たちで製造したことで、利用者が大きく広がりました。ハードウェアとしての完成度があがり通信内蔵で電源をいれればすぐに利用できることで、今まで翻訳機をお届けできなかったようなお客様にもご利用いただける様になりました。

翻訳エンジンはクラウド上にありますので、エンジン側が日々学習しているので、最新の翻訳結果を得られます。また、月2度のアップデートを行なうことで、より使いやすい製品へと改良を加え続けています。

その使いやすさから、コンシューマー利用から、店舗や駅、ビジネス出張などの法人需要や、海外での需要も伸びてきています。

日本では2020年にオリンピックが開かれます。日本に来てくださるお客様をはじめ、翻訳を必要とする多くのお客様に POCKETALK を知っていただき、外国語コミュニケーションを通じた新しい体験をご提供していただけるよう、さらなる挑戦を続けていきます。

ソースネクスト株式会社

ソースネクスト株式会社

技術戦略室 執行役員   川竹 一 氏

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