株式会社ソラコムがお送りする「IoT速報-ビジネスの最前線」。今回は、多様な産業向けにガス検知ソリューションを提供するCO2Meter, Inc.が、SORACOMを活用して、グローバル展開と運用効率の向上を実現した事例をご紹介します。

【この記事でわかること】

• CO2Meterが多様な業界・用途に展開するガス検知ソリューション
• 海外市場へのスムーズな拡大、ソリューションの拡充に必要なIoTシステムの要件

【SORACOM活用のポイント】

• グローバル展開に不可欠な、国毎に異なるデータ通信の契約と料金体系を一元管理
• SORACOMのサービスで、多種多様なIoTデバイスとクラウドをシームレスに連携、初期設定を効率化

導入の背景

あらゆる産業・業種で使えるガスモニタリングシステム

CO2Meterは、2006年に米国で創業したガス検知ソリューション企業です。鉱山やフォトニクス（光技術）分野で培った技術力と信頼性を背景に、センサーデバイスの開発を進め、製品を提供してきました。

2019年には、フォーチュン500企業での経験を持つTravis Lenander氏がCEOに就任。これを契機に、製品ラインナップの多様化、ブランド認知の向上、国際展開の強化に注力するようになりました。

現在では、CO2Meterのセンサー技術は二酸化炭素にとどまらず、酸素、一酸化炭素、アンモニア、メタン、窒素、アルゴンなど、さまざまなガスに対応。固定式のガス安全システムやガスデータロガー、データ活用を支援するアクセサリなども提供しています。250種類以上のソリューションが数千もの顧客のアプリケーションや業界に導入され、レストランや食品業界、ビール・ワインの醸造業、室内農業、科学・医療、産業安全、溶接作業など、幅広い業界や業種の顧客に利用されています。

実現したサービス

グローバル展開と製品多様化を支える事業基盤の整備

CO2Meterは、より多くの業界やユースケースでガス検知ソリューションを提供し、顧客の安全性や運用効率の向上に貢献することを目指しています。製品の多様化とグローバルな展開を進めるため、柔軟で拡張性の高いクラウド基盤としてAWSを採用し、あらゆる場所の顧客が、センサーで取得したガスデータを簡単かつ安全に活用できる体制を整えました。

一方で、大量のIoTデバイスを安全にクラウドに連携するには、ソフトウェアや証明書の管理、通信設定の作業が増え、導入や運用の障壁となる事が予想されました。デバイス数が増えるほど、その課題は顕著になります。また、グローバルに展開する上では、国ごとに異なる通信契約や価格体系といった、国際的な運用コストや契約管理の煩雑さも無視できません。こうした中で、IoTシステムの運用を効率化できるテクノロジーパートナーを求めていました。

導入の結果

SORACOMの活用で、IoTシステム運用の効率化を実現

この課題を解決するために選ばれたのが、SORACOMのIoTプラットフォームです。SORACOMのグローバルデータ通信サービスにより、国や地域を問わずデバイスの通信を一元管理できる体制を構築しました。さらに、クラウド連携やデバイスの初期設定、セキュリティを大幅に効率化しました。

一例としては、SORACOMサービスの利用で効率的なデータ管理とセットアップを実現、デバイス1台あたりのデータ使用量は利用前と比較すると約30%削減となり、大幅なコスト削減に繋がっています。またデバイスの初期設定については、1台のセットアップにかかる時間を5分から1分未満に短縮しています。

「SORACOMを選んだ理由は、その使いやすさ、手厚いサポート、そして競争力のある料金体系でした。プラットフォームサービスによって、データ通信の運用負荷を大幅に削減でき、新しいデバイスの導入もスムーズに実施可能になりました」と、CO2Meter Vice President of EngineeringのRobert Miller氏は語ります。

今後の展開

センサーの可能性を広げるIoTとイノベーションの継続

これらの取り組みにより、CO2Meterは新しいデバイスの導入や事業の拡大を実現し、センサー技術の分野で世界的なリーダーとしての地位を築きつつあります。同社は、今後もこうした革新の姿勢を大切にし、製品同士の連携やIoT機能のさらなる強化によって、デバイスの活用範囲を一層広げていくことを目指しています。