IoT 導入の背景

従業員の数を変えず、飼育頭数を2倍にする取り組み

協同ファームは年間で5千頭を出荷する養豚場です。また6次産業化と言われる販売事業も行っています。「まるみ豚」というブランドをネットやスーパーでも販売しています。今後はさらに全国的に流通させるためにプロモーションに力を入れて行く予定です。

協同ファームでは、豚の「健康」を一番に考え、水や餌にもこだわりを持ち、愛情を持って生育しています。2018年現在、新豚舎の建設を契機に、従業員の数は変えずに、出荷頭数を倍増させることを計画しています。

IoT 導入の課題

設備メンテナンスを効率化し、豚に向き合う時間を増やしたい

養豚場では、毎日の多くの時間が設備のメンテナンスに使われています。従業員の帰宅後も養豚場の設備や機械は動いていますが、夜間の故障の場合は、翌朝発見することになり、対応が遅れることもあります。設備メンテナンスの効率化だけでなく、現場で起きたトラブルを遠隔地にいても把握したいという課題をずっと持っていました。

マーケティングなどのIT活用で協力頂いた株式会社システムフォレストに設備の老朽化や、水道管の破裂など設備管理の課題もITで解決できないかと相談したところ、具体的に取り組めそうなアイディアが浮かび、早速IoTへの取り組みを開始しました。

SORACOMが選ばれた理由

たった2週間でシステムを構築、豚舎の水道管の状況を可視化

IoT導入支援を行った株式会社システムフォレストよりお話を伺いました。ウィングアーク1st株式会社の「Motion Board Cloud」を導入し、リアルタイムで可視化、「LINE WORKS」でアラート通知をする仕組みです。SORACOMのセルラー通信を利用し、クラウド連携サービスSORACOM Funnelを使えば「Motion Board Cloud」連携が容易でした。またデバイスLAN接続のSORACOM Gateを活用し、デバイスの遠隔メンテナンスも実施しています。

井戸と水道管の流量管理は、現場にセンサーを配置・通信の設定も必要です。クラウド連携や簡単に可視化できるダッシュボードの開発を含めて、約2週間で完成しました。

屋外で定期的な豚舎の洗浄もあり、防水で簡単にセンサー等を取り外す必要がありました。豚舎の数も多く、コスト面等様々な制約がありました。従量課金で使った分だけのデータ通信料であり、初期費用も最低限に抑えられるSORACOMの通信は最適でした。

システム構成図

導入の効果

スマートフォンで設備状況の遠隔モニタリングを実現

井戸と豚舎の水道管に流量計を設置し、水の利用状況をモニタリング、加えて水道管の水漏れを検知しています。また 加工場の冷蔵庫や冷凍庫の温度・湿度、CO2の時系列のデータ取得も開始しています。

現場の様子を即時に把握することで、大きな気付きがありました。設備のデータが見えると設備の故障検知や異常の予測にも活用できますし、例えば肉質と温度の相関など、事象とデータの相関なども分析することができるようになり、細かな改善に役立ちます。

また副次的な効果として、今まで想像するしかなかったデータ、例えば季節によって豚がどのような時間に活動し、どのように水を飲むかと等、豚の生態も知ることができるようになりました。これを元に飼育側で何をすべきか、新しいアイディアも実践できるのではないかと考えています。

今後の展開について

テクノロジーを活用し「まるみ豚」を多くの方々にお届けしたい

今後も新豚舎の建設に向け、様々な設備にIoT活用の範囲を拡げていきます。現在、飼料タンクの餌の重量管理の見える化を計画しています。

テクノロジーを活用することで、新しい生産量を増やしながらも、生育、繁殖など、人が豚と向き合う時間を増やしていきたいと考えています。もっと多くの方々に宮崎から美味しくて安心・安全な「まるみ豚」をお届けできるよう挑戦していきます。

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