IoT 導入の背景

今までにない購買体験を提供する無人コンビニ600

600は、最先端の購買体験を提供する無人コンビニという新しいサービスです。600というサービス名、会社名は、最大600種類の商品が置けるようにしようというサービス構想に由来しています。
600は、オフィスやマンションなどに設置することができ、オフィスビルでエレベーターが混み合うお昼の時間帯、忙しい合間のちょっとした休憩時間、夕方もうひと頑張りしたい時、更にはモノが急に必要になった時など、コンビニまで行くには時間がないという時に最適です。
決済方法は完全にキャッシュレス。付属のタブレット型決済機にクレジットカードをスワイプすると、扉の鍵が開きます。買いたい商品を取り出してドアを閉めると、冷蔵庫から取られた商品が自動的に検出されます。最後に購入完了ボタンを押すと決済が行われ、購入完了となる仕組みです。

IoT 導入の課題

最適な買い物体験実現の鍵は「通信」にあり

無人コンビニの実現には、通信が非常に重要な役割を担います。例えば、クレジットカード利用時にカードの有効性をオンライン経由で照会します。欲しい商品を冷蔵庫から取り出した際には、冷蔵庫内のRFIDリーダーが商品に取り付けられたRFIDタグを読み取ります。その際AWSのクラウド上にある商品データベースを照会し、商品の在庫情報や企業ごとの購買データなどの情報を更新します。購入確認ボタンを押した時は、クレジットカード会社へ請求情報を送信します。これら全てのプロセスは、インターネットとつながり、システムや動作を融合することで、シームレスにお客様にストレスを感じさせない最適なユーザー体験を実現しています。

SORACOM が選ばれた理由

IoTは繋がるだけではなく、ソフトウェア連携までが重要

当初から600の無人コンビニに使えるセルラー回線を探していました。SORACOMを選んだ一番重要な理由は「システム連携のしやすさ」です。

IoTやハードウェアを含むシステム・ビジネスでは、モノがインターネットにつながることが重要なのではなくて、インターネットの先のソフトウェアとリアルタイムで連携することが重要です。SORACOMでは各種ソフトウェアとの連携がユーザーコンソールからまとめて設定でき、APIも提供されているのでプログラムに組み込める点が便利だと感じています。

またSORACOMには、万が一に備えたサービスも揃っています。例えばSORACOMには、SIMにインターナルIPを付与して、サーバーから遠隔アクセス・操作するサービス「SORACOM Gate」があります。このサービスを使えば普段はインターネットからアクセスできない状態にしておき、お客様先に設置した端末に不具合が起きた時だけインターネット経由でリモートアクセスすることで、端末のログを取得したり制御系のコマンド操作など、遠隔から管理に必要な操作を行うことができます。このように万が一に備えることができるネットワーク構成は、保持しておくにもコストがかかりますが、SORACOMなら必要な時にサービスを利用して「使った分だけ」の支払いで済みます。

単純に通信するだけではなく、いかにハードウェアとソフトウェアが顧客体験として融合し、1つの製品としての完成度を高めるかを考えたときには、通信はSORACOM以外に選択肢がありません。

導入の効果

リアルタイム購買データで、納品する商品をカスタマイズ

本体は前述の通り通信機能を搭載していますので、設置先でのWi-Fi設定のような手間もなく、電源をつなげばすぐに利用可能です。
またリアルタイムに各社の売れ行きや傾向値を含んだ購買データを取得しているため、担当コーディネーターが次の商品補充ラインアップを決める際にも活用することができました。
LINEでコーディネーターと設置企業は繋がっており、LINE経由で商品リクエストも受け付けることもできています。コーディネーターと利用者の距離を近づけることもできました。

今後の展開について

活用範囲が広がるリアルタイム購買データ

購買行動の変化のキーワードとして、半径50mの商圏を意識しています。1980年代の百貨店が全盛期だった頃は半径50kmの商圏で、買い物とは1カ月に1度家族で行く特別な行動でした。1990年代になるとイオン、ダイエー、ジャスコなどの大手スーパーの参入で半径5kmの商圏が実現し、週末ごとに買い物に行くようになりました。そして2000年以降になると、コンビニ全盛期となり、半径500mの商圏では買い物が日々の習慣になりました。これから実現する半径50mの商圏では、人は高い頻度で直感的に買い物する世の中になるだろうと予想しています。
リアルタイムで取得できる購買傾向からは、合わせ買いの内容や習慣的に買う商品といったユーザーの購買行動リサーチも、より詳細かつスピーディに取得できます。また食品メーカーが新商品を出す場合も、小さい範囲でトライアルし、その結果を反映させながらより売れる商品を開発することも可能になります。
100カ所あれば100通りの品揃えで、場所に合った商品構成で生活する環境を豊かにすることを軸におきながら、世の中の変化に応じてメーカーの商品戦略に大きく影響を与えるようなデータ活用にも活動を拡げていきたいと考えています。

600株式会社

600株式会社

代表取締役 久保 渓 氏

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